保育園の役割
子供の発達から見た保育園の役割
保育園はお父さんやお母さんと協力しながら、子どもたちが体も心も健全に育つように、いろいろな役割を果たす児童福祉施設です。子どもたちをとりまく社会状況の変化を受け、さまざまな役割が必要となった保育園ですが、基本原則は変わりません。
お父さんやお母さんとの信頼関係を基礎にし、子どもたちの生活や心を安定させ、子どもたちの発達に応じた保育を行います。
共励保育園の保育は遊びを通しながら必要な教育をおこないます。面白いことに、子どもたちは自分と同じくらいの子に強い興味を示します。これが集団の良さです。
保育士は受け持つ子どもたち、どの子も大切に、そして一人ひとりに愛情をもって接します。一人ひとりを大切にしながら、子どもたちの社会的自我が育つよう保育を組み立てていきます。
家庭ではできない経験や体験が長年研究した独創的なカリキュラムで系統的に組まれ、遊びを通して子どもたちに提供されます。
- 総合保育(ゴッコ遊びを中心に組み立てられた保育)
- 数や言語の保育(ものごとを考えたり、判断したり、コミュニケーションを取るなどの力を育てる基本の保育)
- 絵画造形の保育
- 音楽や歌遊び
- 体育遊び
共励保育園には長い歴史を持つ研究会があり、そこでの研究が子どもたちの保育の質を保障しています。この研究会が共励保育園の命といっても差し支えないでしょう。
近年、地域社会の変化や核家族化によって子どもたちを取り巻く環境が著しく変化しました。雇用平等法などに代表される法律の変革や市場競争主義による経済・労働環境の変化がお父さんやお母さんの仕事の状況を厳しいものにしています。
共励保育園はご家庭の状況を理解し、お父さんやお母さんが健全な家庭を築き上げていくことができるよう応援をいたします。
そして、厳しい状況の中でも、根本をしっかり見据え、ご両親と手を取り合い、子どもたちが健全に育つための努力を重ねていきます。子どもたちにとって、保育園と家庭は車の両輪のような役割を持ちます。
親の役割
子供の発達から見た親の役割
お母さんお役割
人格形成の基礎としての母子一体感
乳幼児にとって、優しいお母さんとの一体感は最も大切なものです。栄養、保温、排泄にはじまり、生きていくためのすべてをお母さんに依存している乳幼児にとっては、優しいお母さんに守られているという感覚は、心が安定するために必要不可欠な前提条件です。
お母さんとの一体感に支えられているときに初めて乳幼児は次の段階の心の発達に向けて成長しはじめることができます。赤ちゃんはまずお母さんとの結びつきを得て、それを基盤にして体を発育させ、心を健全に発達させていくことができるのです。赤ちゃんにとっての母子一体感は最も大切なものです。これがベーシック・トラストといわれる人間が人間を信ずることができるための基本的な感情を育てるのです。母子関係は社会の基礎なのです。
(林道義 著・母性の復権より)
お父さんの役割
家族の目標は子どもを立派に育てることです。子どもを立派に育てるためには、大黒柱としての中心が必要です。家族の中心になるのはお父さんが最もふさわしいと考えられます。とくに社会人としての十分な人格を持った人間に育てるためには、お父さんが一家の中心としてどっしりと存在していることが一番望ましいのです。(林道義 著・父性の復権より)
夫婦の役割
お母さんはお父さんがお父さんとしての役割を果たせるように応援しなくてはなりません。お父さんは子どもたちが自立するために家族の大黒柱としてのシンボリックな役割を果たします。お母さんの支えがあってこそお父さんはその役割を果たすことができます。
共働きが多くなった現代社会において、お父さんの役割は更に大切になりました。お母さんの仕事に理解を持ち、大変なときは応援し、優しい言葉をかけ、家族が明るく楽しくなるような工夫をしなくてはなりません。
こういった夫婦の努力があってこそ家族の絆がつくられていきます。この家族の絆が子どもたちを立派に育て、やがて迎える思春期やさまざまな難関を上手に乗り越えていく支えになります。
子どもたちの役割
子どもたちはお父さんとお母さんに愛され成長していきます。もっとも信頼する人に依存し、もっとも信頼する人に反抗しながら自分づくりをしていきます。
その成長の過程で、だんだん自分のできることは自分でするようにし、自分たちの成長がお父さんやお母さんの喜びになるように努力します。
5才になったら家庭の仕事も分担し、お父さんやお母さんを手助けします。更に大きくなるにつれ食事・洗濯・庭仕事、弟や妹の面倒を見るなど家族の一員としてしっかり役割を果たさなくてはなりません。たまにはお父さんやお母さんの大変さにねぎらいの言葉をかけてあげることが大切です。家族としての役割を果たすことが、やがては日本の社会のために役に立つ人間として自分を成長させていくことでしょう。
もっと詳しく▶保育園のパラドックス/親と保育所の望ましい連携