絵 本 回 覧

絵本は親子の絆を深めます。

子供たちは絵本が大好きです。絵本が好きになった子供たちは、絵本を通してどんどん自分の世界を広げていくことができます。絵本は、そうした創造力の源となるだけでなく、親と子の絆を深めるための大切な要素を持っています。絵本をお母さんやお父さんが子供に読んであげることで、親の情が子供に伝わります。今、保育園の子供たちに圧倒的に不足しているのは、お母さんとのスキンシップです。共励保育園では、絵本回覧を行い、一日のある時間に、お子さんを膝の上に乗せ、絵本を読んであげるという時間を持っていただこうと思っています。絵本回覧を通して、子供は親の愛を感じます。同時に親は子供の可愛さを感じます。
児童文学者の松井直氏は著書「わたしの絵本論」の中で次のように語っています。

絵本を巡って次々とわき出す言葉、その言葉のやり取りの間にかわされる心の通いあいこそが、ごく幼い子供達と絵本の大切な出会いです。絵本を間にして、絵本を仲立ちにして、大人と幼児の心が通いあうことが、この年齢の幼児の絵本体験の最大の意味です。絵本は大人と用事の心を通いあわせる場です。
その意味では、お父さんやお母さんが子供を膝に抱いて絵本を読んであげることは、とてもよいことです。底には、肌とのふれ合いがあり、言葉と言葉のつながりがあり、心と心の交流が確かな形であります。こういうとき幼児は自分をしっかり支えてくれる”その人”の存在を全身に感じます。全身はまた全心でもあるでしょう。絵本という物が、より豊かな心を生み出すのです。でも心が通いあわなければ、絵本はただの物にすぎません。絵本を生かすのは、お父さんとお母さんの声です。その声で聞こえてくる言葉が子供を絵本の世界へ導きます。そのようなとき、幼児はお父さんお母さんとてをつないで未知の不思議な絵本の世界へはいっていゆく喜びを、いっぱい感じていることでしょう。それが“しあわせ”といわれるものです。人間がしあわせというものを本当に深く感じる力を身につけるのは、幼児のときのこうした体験の深さ、その繰り返し、その蓄積であろうと私は推測しています。

絵本回覧のやり方

0日頃忙しく働いているお母さんに、ちょっとだけでも子供との時間を取っていただこうと、年度初めの懇談会に絵本回覧を行うことを説明し、あらかじめ了解を取っておきます。
方法は、次の通りです。


  1. 絵本はクラス担任が決めます。
  2. 回覧用のバッグを用意します。
  3. 担任が選んだ絵本と感想文ノートをクラスに回覧します。

  4. 絵本を読むときは、お子さんを膝の上に乗せて呼んでもらうことを約束とします。
  5. 読み終わったら、1行でも2行でもいいので、感想文をノートに書いてもらい、ハンコを押してもらいます。

  6. その感想文ノートは絵本と一緒に回覧されます。クラスの皆さんの感想が同時に回覧されるというわけです。

親子の絆を深める取り組みとして、是非いろいろな保育園で取り組んで欲しいと思っています。保護者と、いろいろな話題が共有できますよ。